パラベンとは

パラベン=パラオキシ安息香酸エステルは、安全性の高い防腐剤です。

パラベンには、「メチルパラベン」「エチルパラベン」「プロピルパラベン」「ブチルパラベン」「ベンジルパラベン」の5種類があります。

抗菌力の強さは、ベンジル>ブチル>プロピル>エチル>メチルの順です。しかしながら、抗菌力が強い分だけ肌への負担も大きくなると言えます。

パラベンの危険性は?

パラベンは旧表示指定成分です。

「旧表示指定成分とは」

簡単に言えば、2001年以前まで、ごく稀にアレルギーを起こす人がいる成分を表示しなければいけない決まりがあって、その表示指定成分だったというものですね。

そのような過去がある事から、「パラベンは危険だ!!」「肌に刺激が強すぎる」等と言われることもありますが、実際は使用量を守れば安心な成分です。

製品に1%未満までの配合が認められていますが、各メーカーがさらに自主規制をしている事が多いので実際の配合量はもっと少ないことが多いです。

(確かに1%未満までという決まりがあるという事は、それ以上の量では皮膚刺激のトラブルが起きるかもしれないという事で、完全に安全な成分では有りませんが、安全面は配合の基準がある事で守られています。逆に言えば天然でも合成でも使用量を守らなければ刺激のある成分はいくらでもあります。ラベンダー油もアレルギーの指摘が言われている成分ですしね)

そもそも、パラベンで皮膚障害やアレルギーを起こす人の割合は0.3%(1000人中3人)だけしかいないと言われています。

ですので、パラベンにアレルギーを持っているという人以外はあまり気にする必要はないでしょう。

防腐剤フリー・無添加化粧品が良い?

「パラベンは旧表示指定成分だから危険」、「配合していない方がいい」と言われることもある事から、「防腐剤フリー」「パラベンフリー」「無添加」等と記載された製品も多く見かけますが、可能であればパラベンは配合していない方がいいのでしょうか?

考えてみてください。防腐剤が本当に配合されていない製品。どうなると思いますか?ほんの数日で雑菌が繁殖して腐ってしまうでしょう。

シャンプーなどは特に、置いているところが高温多湿になりやすいお風呂場に置いてあります。しかもポンプで出して戻る時に空気を吸い込んでいきますので製品の中に空気が入り込みますから、さらに腐る・カビる等の問題が短期間で起こるでしょう。

シャンプーは中がカビている・腐っているのがわかりづらいと思います。容器の中が確認しづらいですからね。仮にカビていたり、菌が繁殖してしまっているシャンプーで頭皮を洗うのと、ごくまれにアレルギーを起こす可能性があるが自分にはそのアレルギーがない安全だと言われている合成の防腐剤を使用して抗菌されているシャンプー。どちらの方が安全なシャンプーだと思いますか?

明らかに後者ですよね?

ですので防腐剤は必要な成分です。

そもそも防腐剤フリーと書いてあっても、それはパラベンやフェノキシエタノールという防腐剤が配合されていないだけで、他の防腐剤が配合されています。それはBGやPGやエタノールなどのアルコール系を防腐剤としてみたり、グレープフルーツ油の防腐力などが使用されています。

BGやPGがパラベンよりも安全かというとそういうわけではありません。BGの方が「防腐力は弱い」=「肌の刺激は弱い」と思いがちですが、防腐力が弱いためパラベンなどよりもかなり多く配合しなくてはいけません。結局はそうして防腐力を高めるとアルコールの刺激で肌が乾燥したりと刺激物になってしまいます。

グレープフルーツ油はオーガニック系の製品の時に天然の防腐剤としてよく利用されていますが、それだけではやはり満足な防腐力は得られませんので、BGなどが一緒に配合されていることも多いです。

ですので、本当に防腐剤が配合されていない製品というのはほぼ存在しないと思います。

防腐剤フリーというのは、「防腐剤としての効果しかない成分を配合していませんよ。」という事で、保湿効果や乳化安定をさせたり「防腐力もある」成分が配合されていないという事ではないという事だと思います。

最後に繰り返しになりますが、ごくまれにアレルギーを持っている人以外には安全で最も少量の配合で防腐力を得られる成分であるパラベンが配合されていても危険視する必要はないと思います。

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