「抗炎症作用でかゆみなどを抑え 頭皮環境を整える(ステロイド様作用)」
化粧品表示名:グリチルリチン酸2k
別名:甘草エキス・グリチルリチン酸ジカリウム
炎症抑制
マメ科植物であるカンゾウ(甘草)の根または茎から抽出したグリチルリチン酸の誘導体。頭皮を健やかに保つ
グリチルリチン酸2kは「ステロイド様作用」のように抗炎症作用のある成分です。
当然ステロイド様作用なだけで、ステロイドほどの抗炎症作用があるわけではないので、逆に言えばステロイドのような副作用の心配はシャンプーや化粧品へ配合されている場合は少ないです。
シャンプーへの配合目的
グリチルリチン酸2kのシャンプーへの配合目的は、頭皮の炎症によるかゆみなどの頭皮環境の改善です。
グリチルリチン酸2kはその配合量によって、通常の化粧品シャンプーの一つの成分として配合される場合もあれば、抗炎症効果を認められた配合量を配合することで薬用シャンプー(医薬部外品)となる成分です。
●化粧品のシャンプー(通常のシャンプーの事)にグリチルリチン酸が配合されていた場合、「抗炎症・かゆみを抑える」などの効果効能を謳えるほどの配合量ではない。謳ってはいけない(エビデンス量を満たしていない)
●薬用シャンプー(医薬部外品)にグリチルリチン酸が配合されていた場合は、「抗炎症・かゆみを抑える」などの効果効能を謳える配合量基準を満たしているシャンプー。謳っていい(エビデンス量を満たしている)
化粧品への配合目的
化粧品へのグリチルリチン酸2kの配合目的は、主に抗炎症作用によるニキビ・肌荒れの改善効果の為です。
上記シャンプーへの配合目的でも記載のように、その配合量により、化粧品として登録するか、医薬部外品として登録されるかが決まります。
基本的には医薬部外品である場合に、「ニキビを治す・肌荒れ改善」のような効果効能を謳う事が出来ます。
医薬品としてのグリチルリチン酸2k
グリチルリチン酸には消炎作用があることから、一般用医薬品(薬剤師を通せば購入できる医薬品)では、のどのはれ・痛みを鎮める目的で口腔内殺菌トローチや皮膚用薬などの外用薬に配合されています。また、鼻粘膜や胃粘膜の炎症を鎮める目的で鼻炎薬や胃腸薬などの内服薬に、目の炎症を鎮める目的では点眼薬などに幅広く使われている成分です。
当然、医薬品としてのエビデンス量(配合量)は医薬部外品よりも多く配合されます。
グリチルリチン酸2kの副作用
グリチルリチン酸2Kは、「ステロイド様作用(抗炎症作用)」を持っています。
その為インターネットを中心に危険性が指摘がされています。例えばこんな感じです↓
旧厚生省の通達内においては、「量の違いはあるにしろ、約1カ月で、 体内の塩類コルチコイドが過剰に分泌されるアルドステロン症と類似の症状である疑アルドステロン症が現れた」 とされており、体に対する影響は確実にあると考えられます。
ただ、これは資料を読めばすぐわかる事なのですが、「医療医薬品を中心に、一般医薬品でもこのようなことが起きます。」
といった内容で、医薬部外品レベルでの配合量の話ではありません。
つまり、医師や薬剤師を通して購入できる医薬品に配合していい量(多いという事)で起きる可能性がありますよ。という話です。
平成18年に作成された厚生省の資料ではこのように書いてあります↓
漢方薬、かぜ薬、胃腸
薬、肝臓の病気の医薬品などに含まれています。体内に塩分と水がた
まり過ぎることで血圧の上昇やむくみが起こり、体からカリウムが失
われるために、力が抜けたり、筋肉痛やこむら返りなどの筋肉の異常
が起こったりします。
上記のように「体内に塩分と水がたまりすぎることで血圧の上昇やむくみが起こり~」という事ですから、基本的には経口摂取した場合などの副作用の話だと解釈できると思います。
インターネットで書かれている副作用についての懸念はこの部分を伏せて、グリチルリチン酸2kへの恐怖心をあおっている傾向があると感じています。
その為、化粧品や医薬部外品への配合は基本的に副作用の心配をする必要はないと思います。(人それぞれの相性は別の話としてはありますが、ステロイド様作用による副作用についてはという話です。)
グリチルリチン酸2kの配合されているシャンプー一覧